… ザ・ワーキング・アワー …
それは、長い時を経て実現した出会いだった。フォルムに対するアプローチを深く共有する、二人のアーティスト。フォルムを信じ、それを何度も、何度も繰り返す。そしてその反復によって、即時的な反応に抗うことの美しさを静かに主張する。
デザイナーのトム・ブラウンは、昔からランナーでもある。彼にとって走る時間とは、ひとりで静かに向き合う、どこか祈りのように神聖なひとときだという。そのとき彼の心は「自由で開かれた状態」になる。アイデアが形を取り、コレクションが組み上がっていくのは、走るという行為が――彼が何十年も貫いてきた一途な創作の姿勢と同じように――「ただ一つのことを、徹底して極める」ことに集中する行為だからなのだ。
同じように、フォトグラファーのロビー・ローレンスもまた、反復からインスピレーションを得ている。黄昏の気配を帯びた彼の写真は、光と動きの交響のような広がりを見せながら、人と場所への深いまなざしを湛えている。彼は自身の制作プロセスを、同じキャンバスに幾度も筆を重ねる画家になぞらえる。過去のレイヤーをあえて浮かび上がらせるようにして、作品を重ねていくのだ。そこには、どこか神聖でありながら大地に根差した持続的な実践がある。彼の構図は自然と影に魅了され、むしろ隠されているものによって静かに安心しているかのようだ。ブラウンと同様に、ローレンスの仕事もまた忍耐強く、丹念に研ぎ澄まされている。率直で、誠実。つい「タイムレス」という言葉を使いたくなる。というのも、彼の写真――今回のコラボレーションの作品も含めて、コントラストがやわらかく触れ合う瞬間にその魅力を託しているからだ。たとえば、温もりが涼やかさと調和するとき。世代を隔てた二つの顔が並ぶとき。そして、おそらく最も印象的なのは、完全に加速し息もつかせぬスピードの瞬間が、むしろこの上なく稀なもの――静かな「ポーズ(間)」のように感じられるときだ。
「ザ・ワーキング・アワー」には、トム ブラウンとアシックスのコラボレーションを紹介する限定版マガジンが含まれています。ロビー・ローレンスによるクリエイティブ ディレクションとイメージ、コンタクト スタジオによるデザイン、ドゥルガ・チューボースによる文章、そしてトムとロビーによる制作過程についての対談を通して、動きのある日本の生活を探求しています。